ブランディングオフィス(3)

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ブランディングオフィスについて(第三回)

ブランドイメージ構築について
 コアブランドバリュー、コアブランドメッセージ、ブランドパーソナリティについての構築はここでの主要なテーマではないので省きます。詳しくはマイクモーサーの「パワーブランディング」を見てもらうとして、ここでキモとなるブランドアイコンについて触れます。
 ブランドアイコンとは自社ブランド独自のものであり、また生活者の心に自社ブランドをイメージさせるものです。これは五感のどの感覚に対しても考えなければならないことです。インテリアデザイナーであれば誰でも意識するとしないとにかかわらず、そのような視点を空間に取り入れています。しかし、ブランディングという視点に立つとき、そのイメージづくりはかなり戦略的で、計算されたものでなくてはなりません。
 さて、ここでは特に視覚について触れることにします。視覚では、素材、カラー、レイアウト、がインテリアのデザインエレメントとして考えられます。デザイナーは企業イメージをこれらのエレメントを通して表現します。例えば、素材から受けるイメージとして、柔らかさ、温かさ、輝き、等いろいろなイメージを表すスケールがありますが、企業の性格やイメージ・ビジョンを考えた時、どのような表現が一番イメージ通りか検証するのです。カラーにしてもしかり、レイアウトも堅いイメージなのか、柔らかいイメージを演出したいのか等など。デザイナー自身の趣味と感覚に頼るのではなく、その企業イメージとの関連で一つ一つのエレメントの役割を決定していくことで、効率的にオフィスイメージをブランドイメージに統一することができるようになります。当たり前のことと思われますが、多くのデザイナーはこれを感覚的に行っています。素晴らしい感性があればそれもそれほど大きくずれたりはしませんが、あまり感覚に頼り過ぎると、ちぐはぐなものができてしまうという間違いを犯してしまいます。それを犯さないためにはブランドバリュー、コアブランドメッセージ、ブランドパーソナリティというベースを確立していなくてはなりません。それによって始めて、すべてのエレメントが企業イメージのランゲージとして顧客や従業員に訴えかけるのです。
 しかし現実的には、多くの企業ではなかなかここまでのベースを築き上げてはいません。ですから、その場合はその部分をまず明確にする必要があります。当事務所の考える、ビジョンセッションはそのあたりをクリアーにすることも目的のひとつとしています。ここに時間をかけることで、経営ビジョンとデザインの融合が図られ、文字通りブランディングオフィスが実現します。
 デザインは単に心地よさを演出するためだけのツールではありません。事業の根幹を成す重要な役割を担うことが可能です。数々のヒット商品、優れた広告、すべての表現はデザイン抜きに存在しない、それを抜きにしては消費者に受け入れられないという時代になったということは、すでに経営者の方であればよくお分かりとは思いますが、その波がオフィスにまで押し寄せているということを感じていただければと思います。
 従業員は消費者の一員でもあります。ですから、成熟化社会で鍛えられた感性に耐えられないオフィスは有能な従業員を雇うことも、引きとめることもできません。それはその企業の将来性をも左右する重要な問題であるということです。それで、企業の将来が決まるとしたら、どうでしょうか?一刻も早く、オフィスの戦略的なブランディングに取り組むべきではないでしょうか?(08年04月15日)